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昌平黌は幕府の学問所で、後の東京大学の源流であることは広く知られている。
全寮制の昌平黌に、いつ・どの藩の・誰が・何歳で入寮し退寮したのかは、「書生寮姓名簿」(東京都立中央図書館所蔵)に毛筆で記載されている。
その「書生寮姓名簿」が影印復刻版として収録された、香典返しの饅頭本(和装)が、『昌平黌勤皇譜』である。
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『昌平黌勤皇譜』森銑三
1985(昭和60)年04月24日 180pp 森篤子 非売品
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『昌平黌勤皇譜』の「書生寮姓名簿」は、弘化丙午以来(1846・弘化3)年以降の昌平黌在学記録を調査・確認する場合の第一級資料である。
市販本ではなく非売品の饅頭本とはいえ、東京から遠方の地方在住研究者の閲覧利便性と首都圏直下型地震等による原本紛失のリスク分散面からも、影印復刻による配付は喜ばしい。
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1846(弘化3)年以前の記録も集成、公刊されることを期待したい。
四街道市社会教育委員よしさん

