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宗門人別帳原本を、持参のノートに書きうつす場合、筆記対象を線刻のような文字列として捉えず、面として絵画の模写のように、行頭・行間・空欄・位置関係や筆の運び・止め・ハネ・太さも可能な限り、復元しておきたい。
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持ち帰ったノートを開いて、「原本の四苦八苦解読コース」は、ここからが第2の難関。
何と言っても、読めないのは辛い。
そこで参考書の出番である。
該当するある村の(隣村の)宗門人別帳(時代は前後しても良い)を現代語に直し収録した文献(市史・町史)から、宗門人別帳の作りが把握できる。
すると、該当部分に記載されている文字の属性が絞れ、解読が支援される。
例えば、国・郡・村名なのか、宗派・寺院名なのか、人名なのか、である。
宗門人別帳もバリエーションが多いようで、石高・先代・婚姻年や出身村実家・奉公先や期間について記載のあるものとないものが存在する。
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肝心の文字は、草書が標準的に使用され、異体字や簡略も多様される。
漢字の解読は草書辞典で楽しみながら進むだろう、伏兵は「かな」で、女性名に使用される変体がなは「変体すぎて」手こずる。
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「時」「紋」「夏」「待」、たった4文字の解読で今日も日が暮れた。
とほほ、よしさん
