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『博物新編補遺』は、ホブソン Benjamin Hobson(中国名:合信)の『博物新編』の続編ではない。
同じ英国人チャンブル Robert Chambers の『Introduction to the Sciences.』(科学入門)を、慶應義塾同社の小幡篤次郎が和訳した科学入門書である。
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『博物新編補遺』
小幡篤次郎 1869(明治02)年 尚古堂
和本・緑表紙・全3巻3冊
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『博物新編補遺』巻之下の9丁・動物論に「顕微鏡ノ力ヲ藉ラサレハ眼ニ入リ難キ無数ノ小虫アリ」の記述があるが、「チェンバース著『科学入門』と小幡篤次郎訳『博物新編補遺』」の論考を持つ、桃山学院大学松永俊男によれば、原著の各論部分は(カットされ)未翻訳の由で、顕微鏡を座右に据えるよしさんには大変残念だ。
それでも、明治の教科書に採用された『博物新編訳解』『博物新編補遺』の2書により、英国で1836(天保07)年以前から、顕微鏡を使用し小虫(動物プランクトン)を観察していた事実が知れ、興味深い。
プランクトンウォッチャーよしさん
