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松江重頼の『毛吹草』(横本7巻5冊・1638年序成立・無刊記・東京帝国大学附属図書館蔵)を底本とし、校訂した一般向け市販書に、岩波文庫の『毛吹草』がある。
松江重頼は1602(慶長07)年京都に生れ〜1680(延宝08)年79才で没した俳人で、俳諧世界で高名である。
『毛吹草』は、松江重頼37才の1638(寛永15)年序成立、1645(正保02)年版行と見られる俳諧書とだけ言えば、大方の諸兄は、単に俳句と作者を延々と羅列した何の変哲もない句集を想い浮かべるであろう。
ところが『毛吹草』には、イロハ別に附合の語彙が編集され、また名物・物産を国別に配列する等の工夫があり、初心者にも親切で、版を重ね、諸本も伝わるようだ。
『毛吹草』原本は購入できるはずもなく、よしさんは岩波文庫『毛吹草』を架蔵するのみである。
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松江重頼原著・新村 出校閲・竹内 若校訂(1988):
『毛吹草』,岩波文庫第5刷,岩波書店(東京),\700
http://www.iwanami.co.jp/
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その岩波文庫『毛吹草』巻第四・名物の若狭 北陸道(174pp)を見ると、「味方堀(ミカタノホリニ)アマサギ魚也」と書かれており、これがワカサギに関する古い記録のひとつである。
福井県三方湖(若狭町)のワカサギは、近年県の絶滅危惧U類に指定される減少ぶりが、気になるところだ。
前・牛久沼漁業協同組合顧問よしさん

