2013年03月25日

『重訂本草綱目啓蒙』

『重訂本草綱目啓蒙』

ながらく経済的理由で購入を控えていた『重訂本草綱目啓蒙』復刻版を、やっとの、こらしょで入手した。

【書誌】
19780220 重訂本草綱目啓蒙 第一
口述:小野蘭山
原著:小野惠敏
編纂:正宗敦夫 現代思潮社 4+4+261pp・¥5000
B6版・紺色布装丸背・背金箔押書名・函
日本古典全集刊行会本の復刻版
本文底本は1847(弘化04)年岸和田邸学蔵版を使用
※巻頭に解題・序・伝・付言あり
※巻之一〜巻之十一

19780220 重訂本草綱目啓蒙 第二
口述:小野蘭山
原著:小野惠敏
編纂:正宗敦夫 現代思潮社 263-549pp・¥5000
B6版・紺色布装丸背・背金箔押書名・函
※巻之十二〜巻之二十四

19780220 重訂本草綱目啓蒙 第三
口述:小野蘭山
原著:小野惠敏
編纂:正宗敦夫 現代思潮社 551-805pp・¥5000
B6版・紺色布装丸背・背金箔押書名・函
※巻之二十五〜巻之三十六

19780220 重訂本草綱目啓蒙 第四
口述:小野蘭山
原著:小野惠敏
編纂:正宗敦夫 現代思潮社 807-1109pp・¥5000
B6版・紺色布装丸背・背金箔押書名・函
※巻之三十七〜巻之四十八

『本草綱目啓蒙』の初版は1806(文化03)年、再刻本は1829(文政12)年、第3の版は1844(弘化元)年、増補され木活字で出版された。
第4に1847(弘化04)年『重訂本草綱目啓蒙』の刊行となる。
その後1929(昭和04)年に、軽装の日本古典全集刊行会版がでたが、よしさん架蔵は第一のみで、不便を強いられていた。
今回、第6の刊行にも相当する『重訂本草綱目啓蒙』現代思潮社復刻版の入手に当たっては、古書故に、購入時はとんでも価格で(出費に伴い)涙また涙した。

しかしページを繰り、馴染みの項目を発見し熟読し頷いていると、やがて安堵の微笑みが湧き・・。
まだまだ道は遠く、日々勉強である。
「ザ・レイクチャンプ」主宰よしさん本目
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2011年04月30日

ワカサギ図書室の古典籍

ワカサギ図書室の古典籍

ワカサギ図書室は、その名の通り、よしさんの蔵書からワカサギに関する文献・資料類を書誌事項を中心にリストし、インターネット上に公開している私設図書室である。

近年は狭義のワカサギに留まらず、餌料プランクトンや淡水魚類全般、並びに取り巻く生態系(特に水生植物)も守備範囲として見直したため、本草学関係の図書が増加しつつある。
■植物渡来考
■泰西本草名疏
■倭漢三才図会
■本草和名
■節用集(易林本)
■利根川圖志
■毛詩品物図攷
■本朝食鑑
■物品識名・物品識名拾遺
■物類称呼
■増訂本草備要
■和漢名数
■本草綱目
■頭書増補訓蒙圖彙大成
■訓蒙圖彙
■倭名類聚鈔
■現存本草書録(中文)
■本草便讀(中文)
■本草備要(中文)
■神農本草經百種録(中文)
■神農本草經(中文)
などで、軽装本や洋装本もあるが、原書は概ね1600〜1800年代の和本が占めている。
なかには、稀覯書と呼ばれる類もあり、参照し引用される今後の出番を書棚で待っている。

ワカサギ図書室
http://wakasagi.jpn.org/

それにしても、中国・明時代の古典籍『大明一統志』や『広西通志』に眼を通し、考察する機会が、存命中にあるのだろうか。
「亀山湖牛久沼ワカサギ情報」主宰よしさん本
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2011年03月03日

『物類称呼』

『物類称呼』

何年かぶりに、取寄せを依頼していた新刊書を受取に、近所の書店へ行った。
『物類称呼』は、江戸時代の俳人・越谷吾山の編んだ全国方言辞典というべき内容の書物で、1775年刊行された。
岩波文庫版の第1刷は1941年で、1994年にリクエスト復刊されたが、それも入手難になり、今回が第2回目のリクエスト復刊である。

『物類称呼』原著:越谷吾山 校訂:東條 操
2011年02月23日 第5刷・192p・¥540+税
岩波文庫30-269-1・カバー 岩波書店
http://www.iwanami.co.jp/

もちろんワカサギも収録されている。
ワカサギ研究家よしさん本
posted by よしさん at 19:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2011年03月02日

『神農本草經百種録』

『神農本草經百種録』

古典中の古典『神農本草經』は、彼是2000年間になんなんとする永い歴史の中で、幾多の変遷を受けているようだ。
本書は、清時代1736(乾隆元)年序を持つ底本の、影印復刻版である。
中品に水萍も見え、諸薬の作用等を述べる。
版型・装丁ともにお手軽ではあるが、影印復刻版の強みで、内容は底本と同等だから、研究者には訳文版より寧ろありがたい。

『神農本草經百種録』編著:徐 大椿・人民衛生出版社(北京)
1956年09月・第1版第1次印刷・簡易装小型本 83pp 0.32元
記述言語:中文

『神農本草經』原本365品中100品を扱う、図なし。
よしさん本
posted by よしさん at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2011年03月01日

『神農本草經』

『神農本草經』

『神農本草經』は、後漢から三国の頃(100〜222年)に成立した中国の本草書で、神農氏の作とされるが実質作者不詳である。
下って、南朝梁の頃(500年)、陶弘景が『神農本草經』を底本に『神農本草経注』・『本草経集注』を撰し、古代の薬の処方基準を伝承し、後の『本草綱目』へと繋がることは、良く知られている。

『神農本草經』編著:■彩霞 主編:呂暁浜 内蒙古人民出版社(呼和浩特)
中華養生薬膳宝典シリーズ 図入り・2色刷り 2009年11月 596.00元
記述言語:中文

本書は、原本365品中223品を扱い、原文と訳文を記載するが底本は不詳である。
しかし、図が添えられ理解しやすい構成に工夫されている。
よしさん蔵書に、最近の『神農本草經』解説書が増え嬉しい。
よしさん本
posted by よしさん at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2011年02月28日

『幼稚園用本 動物図解(全)』

『幼稚園用本 動物図解(全)』

書庫で未整理本をチェックしていたら、『幼稚園用本 動物図解(全)』という稿本を発見した。
もっと魅力的と感じた別の数冊とともに、以前求めたものと、ようやく思い起こした。
柿色表紙の和本で著者は片山直人、獣類鳥類魚類を解説しており、図解と題しているが図はない。
さて、『幼稚園用本 動物図解(全)』には2ケ所に印記があり、一つは「宍戸氏文庫第2641号」二つは「宍戸昌蔵書記」で、毛筆手稿本中には朱筆添削が見える。
植物・竹類の大家片山直人の手稿本を宍戸昌が(誰かに託して)出版しようとしたものとも思えるが、『幼稚園用本 動物図解(全)』の刊本は、見当たらぬようだ。
誰の描いた図を併せようとしたものか、想像を巡らすのも、亦楽しからず也。

釣魚本大繕『水族志』の製本修理
http://lake-champ.com/odl.HTM

ともあれ、宍戸昌旧蔵本が今日よしさんの蔵書となったことに奇縁を感じる。
よしさん本
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2011年01月14日

『毛吹草』

『毛吹草』

松江重頼の『毛吹草』(横本7巻5冊・1638年序成立・無刊記・東京帝国大学附属図書館蔵)を底本とし、校訂した一般向け市販書に、岩波文庫の『毛吹草』がある。
松江重頼は1602(慶長07)年京都に生れ〜1680(延宝08)年79才で没した俳人で、俳諧世界で高名である。
『毛吹草』は、松江重頼37才の1638(寛永15)年序成立、1645(正保02)年版行と見られる俳諧書とだけ言えば、大方の諸兄は、単に俳句と作者を延々と羅列した何の変哲もない句集を想い浮かべるであろう。
ところが『毛吹草』には、イロハ別に附合の語彙が編集され、また名物・物産を国別に配列する等の工夫があり、初心者にも親切で、版を重ね、諸本も伝わるようだ。
『毛吹草』原本は購入できるはずもなく、よしさんは岩波文庫『毛吹草』を架蔵するのみである。

松江重頼原著・新村 出校閲・竹内 若校訂(1988):
『毛吹草』,岩波文庫第5刷,岩波書店(東京),\700
http://www.iwanami.co.jp/

その岩波文庫『毛吹草』巻第四・名物の若狭 北陸道(174pp)を見ると、「味方堀(ミカタノホリニ)アマサギ魚也」と書かれており、これがワカサギに関する古い記録のひとつである。
福井県三方湖(若狭町)のワカサギは、近年県の絶滅危惧U類に指定される減少ぶりが、気になるところだ。
前・牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本目
posted by よしさん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2011年01月13日

『STUDIES ON THE GEOGRAPHICAL DISTRIBUTION OF FRESHWATER FISHES IN EASTERN ASIA』

『STUDIES ON THE GEOGRAPHICAL DISTRIBUTION OF FRESHWATER FISHES IN EASTERN ASIA』

よしさん架蔵の『STUDIES ON THE GEOGRAPHICAL DISTRIBUTION OF FRESHWATER FISHES IN EASTERN ASIA』は、1936(昭和11)年、当時の京城帝国大学森為三教授の著書である。
その A catalogue of freshwater fishes of Chosen.(15pp)に、Osmeridae として、「20 Hypomesus olidus (Pallas)」や「21 Hypomesus japonicus (Brevoort)」が記載されており、森為三教授は「(Chosen には)ワカサギとチカが分布する」と、述べたことが楽々と判明する。

『STUDIES ON THE GEOGRAPHICAL DISTRIBUTION OF FRESHWATER FISHES IN EASTERN ASIA』
東京海洋大学「フィッシング・カレッジ2010」12月講座参加報告
http://wakasagi.jpn.org/

『STUDIES ON THE GEOGRAPHICAL DISTRIBUTION OF FRESHWATER FISHES IN EASTERN ASIA』は、もっと活用されて良い。
前・牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
posted by よしさん at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年12月03日

『我が大物たちの記録』

『我が大物たちの記録』

淡路島の知人から、また著書を寄贈された。
サカナヘンノヒトタチエッセイ集として、釣り人17名の釣りのスタイルをまとめた1冊である。
国内あり海外あり、内水面あり海面あり、対象魚のウンチクあり釣技のウンチクあり、其々のポリシーは行間に明確に(または暗黙に)読み取れ、楽しめる。

『我が大物たちの記録』山内義彦:編 2010年
新書版・145pp サカナヘン事務局(大阪市)・非売品

元祖「サカナヘンノヒトタチ」は、漢字で魚編に人と記して釣り人を指すようだが、「サカナヘンノヒトタチ」には、魚編に作と記す増養殖一派や、サンズイに魚と記すスナドリ一派、はたまた、魚編に商と記す流通販売一派や、魚編に筆と記す著述一派まで、別字も幾つかあるらしい。
「ザ・レイクチャンプ」主宰よしさん本
posted by よしさん at 18:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年10月22日

『週刊つりニュース』ワカサギ釣り特集

『週刊つりニュース』ワカサギ釣り特集

『週刊つりニュース』関東版(2010年10月22日・第2217号)が、ワカサギ釣り特集をしている。
1〜9面までの本格的な特集で、ワカサギ釣りファンは必読ものである。
第15回ワカサギに学ぶ会(11月17日〜18日)が開催される群馬県下のワカサギ釣り場も最新情報が紹介されており、心強い。
コンビニ・キヨスク等で一部売り¥270、新聞販売店からの宅配は月額¥1170、で読み洩らしもなく安心だ。

『週刊つりニュース』
www.tsurinews.co.jp

『週刊つりニュース』を購読することは、「釣り文化資料館」を運営し、無料で一般公開する同社を、個人の可能な範囲で間接的に支援する方法でもあろう。
前牛久沼漁業協同組合顧問よしさん目
posted by よしさん at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年08月12日

『日本淡水動物プランクトン検索図説』

『日本淡水動物プランクトン検索図説』

ヒメネコゼミジンコ Ceriodaphnia pulchella を調べていたら、校正ミスを発見した。
『日本淡水動物プランクトン検索図説』の、ヒメネコゼミジンコ説明部(144pp) の学名 Ceriodaphmia pulchella は誤りと思われ、 Ceriodaphnia pulchella とすべき箇所の校正ミスであろう。
念のため書架から同書旧版(1991年06月25日初版第1刷)を久しぶりに取出し調べたところ、同様のミスを確認した(146pp)。

『日本淡水動物プランクトン検索図説』
水野寿彦・高橋永治(2000)
551pp,東海大学出版会(東京), \18900

所蔵の諸兄は、急ぎ、チェック・修正方。
前・牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
posted by よしさん at 15:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年08月06日

『博物新編補遺』

『博物新編補遺』

『博物新編補遺』は、ホブソン Benjamin Hobson(中国名:合信)の『博物新編』の続編ではない。
同じ英国人チャンブル Robert Chambers の『Introduction to the Sciences.』(科学入門)を、慶應義塾同社の小幡篤次郎が和訳した科学入門書である。

『博物新編補遺』
小幡篤次郎 1869(明治02)年 尚古堂
和本・緑表紙・全3巻3冊

『博物新編補遺』巻之下の9丁・動物論に「顕微鏡ノ力ヲ藉ラサレハ眼ニ入リ難キ無数ノ小虫アリ」の記述があるが、「チェンバース著『科学入門』と小幡篤次郎訳『博物新編補遺』」の論考を持つ、桃山学院大学松永俊男によれば、原著の各論部分は(カットされ)未翻訳の由で、顕微鏡を座右に据えるよしさんには大変残念だ。
それでも、明治の教科書に採用された『博物新編訳解』『博物新編補遺』の2書により、英国で1836(天保07)年以前から、顕微鏡を使用し小虫(動物プランクトン)を観察していた事実が知れ、興味深い。
プランクトンウォッチャーよしさん本
posted by よしさん at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年08月01日

『博物新編訳解』

『博物新編訳解』

英国から中国に着任した、医療宣教師ホブソン Benjamin Hobson(中国名:合信)が、1855(安政02)年に漢文に訳出し上海で出版した『博物新編』は、日本へも輸入され原本に句読訓点のみを施し、漢文の『博物新編』として出版された。
その記述は「・・地面上高約一百五十里人物皆処其中若魚類之在水魚・・」のごとくである。
かたや、1868(明治元)年には、原書の一部を婦人小児向けに意訳した『天変地異』(小幡篤次郎・慶應義塾同社)等も著された。
翌1869年には、原書の和訳版『博物新編訳解』初版が現れ、その記述は「・・地面ヨリ上高サ大約(オホヨソ)一百五十里、人物皆其中ニ処ル、魚類ノ水中ニ処ルカ若シ、魚、水ニ頼(ヨリ)テ・・」と、とても親しみやすい。
『博物新編訳解』の内容は、物理学・天文学・生物学にわたり、図が多用されていることで理解しやすく、鎖国・封建社会に生きてきた人々が、幕末〜明治初期の激動期に競って読み、驚き、文明開化を実感したであろうことは容易に想像できる。

『博物新編訳解』
大森惟中 1874(明治07)年増訂再刻 青山堂
和本・黄表紙・全4巻5冊

よしさんの『博物新編訳解』は増訂再刻であるが、「光論」に天文鏡・千里鏡と共に顕微鏡の図が示され、簡単な解説がなされている。
こういう書物の存在から、顕微鏡実物の渡来は、1850〜1860年代であろうかと思われる。
プランクトンウォッチャーよしさん本
posted by よしさん at 19:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年06月25日

『河北動物志 魚類』

『河北動物志 魚類』

河北は河の北側を指す地名で、『河北動物志 魚類』で扱う河は、黄河である。
黄河下流の北側地域は河北省で、渤海にも面し、『河北動物志 魚類』は、モノクロながら地域の海水魚淡水魚を網羅した学術図鑑である。
例えば、フナ Carassius auratus の項では、地方名に金魚も挙げ「飼養的金魚即由フナ魚祖先■育成的。」と記す。
例えば、オイカワ(関東でヤマベ)Zacco platypus の項では、地方名に『本草綱目』を引いて「石■(魚編に必)」と、さりげなく、ご当地由来の古典籍を強調する等、心憎い記述が見られ、味わえる書物に仕上がっている。

『河北動物志 魚類』
THE FAUNA OF HEBEI,CHINA pisces
王 所安・王 志敏・李 国良・曹 玉萍等,
河北科学技術出版社(中国・石家庄市),2001年,第1版
6+1+2+1+16+366pp,50.00元

巻末に参考文献・中名索引・学名索引・折込「河北省水域概況図」も整備された分野の基本図書のひとつで、今回は、Yahoo!チャイナモールを利用して購入し、研究の参考文献に利用できることになり、とても嬉しい。
ワカサギ研究家よしさん本
posted by よしさん at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年06月24日

Yahoo!チャイナモールで書籍購入

Yahoo!チャイナモールで書籍購入

中華人民共和国のショッピングサイト淘宝(タオバオ)とYahoo! JAPANが提携した、Yahoo!チャイナモールで書籍を購入した。

●2010/06/01 12:12 注文
●2010/06/19 国際配送済(と表示される)
●2010/06/22 17:09 輸出許可・海外荷物受付(中国)
●2010/06/23 02:55 海外発送・出国(中国・上海)
●2010/06/23 13:12 国内到着(成田)
●2010/06/23 14:45 輸入許可
●2010/06/23 19:07 荷物受付&国内発送
●2010/06/24 受取(現金支払)

商品代金・国際送料・関税・消費税は、商品受取時に総額を代引で支払うという決済方法のみで、且つ、かかる料金は受取時まで確認できないシステムである。
エアメールで取寄せた商品カタログに添付された、オーダーフォームに手書きし、クレジット番号を記し署名し、FAXで海外送信し、個人輸入した昔とくらべ、口座情報は不要でセキュリティ性は増し、手続きはクリックして発注するだけで、ひたすら届くのを待つというお手軽さである。

北京の書店から上海及び成田を経由し、やっと希望した書籍が届いた。
別の1点の事例では、注文後7日目に注文キャンセルメールが届いたものの理由開示なしで、何が彼の地の税関員にノーと言わせたかは、見当がつかない不透明さも残った。
気長に待てる諸兄には、対中国選択肢のひとつとして、有効であろう。
ワカサギ研究家よしさん本
posted by よしさん at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年06月21日

『日本農書全集59 漁業2』

『日本農書全集59 漁業2』

『玉川鮎御用中日記』『氷曳日記帳』『松江湖漁場由来記』『釣客伝』『金魚養玩草』と、古典5書を扱う。
原本写真製版原文こそ未掲載だが、翻刻・現代語訳・注記・解題が掲載される。

『日本農書全集59 漁業2』
校注・執筆:宮田 満 浅川清栄 伊藤康宏 太田尚宏
1997年 465+xVp 農山漁村文化協会

安達喜之『金魚養玩草』(国立国会図書館蔵書を底本とした)について、「明王世貞金魚の賦」は目録にあるが本文にはないと、解題の伊藤康宏及び月報25寄稿の石田貞雄が述べている。
してみると、『金魚養玩草』の「明王世貞金魚の賦」は、国会図書館にも所蔵されぬらしい。
1748(寛延戊辰 元)年の刊行当時、(人気があり)出版部数も多かったと思われる(現存部数もそれなりに多いハズ)にもかかわらず、なぜ、巻頭ページのみ欠落し、伝わっていないのか。
新たな疑問が提起され、謎解きの楽しみを強制的に安達喜之から与えられてしまったようだ。
ワカサギ研究家よしさん本
posted by よしさん at 11:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年06月14日

『金魚養玩草』

『金魚養玩草』

今から262年前、1748(寛延戊辰元)年に刊行された、日本最古の金魚飼育技術書とされる、よしさん所蔵『金魚養玩草』は、題簽が半分失われているものの、虫食いもなく、状態は良い。
金魚の餌の「赤子」をミジンコと誤翻訳する人もいるようだが、松井佳一『実験 金魚の愛玩と飼育法』1936(昭和11)年・弘道閣、によれば、アカコは、イトミミズ・ボッタ・モ・ホオヅキとも呼ばれることが判る。

『金魚養玩草』安達喜之
1748(寛延戊辰元)年09(序文),
24(23)+3丁+「金魚賦」1葉折込付,
増補:奚疑齋,校合:森常政・河重政,文林堂

原本は大学図書館にもないほどの貴重書で、一般には『日本農書全集59漁業2』(農山漁村文化協会版)に収録された、伊藤康宏現代語訳の『金魚養玩草』がお勧めである。
ワカサギ研究家よしさん本
posted by よしさん at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年06月10日

『CASSELL'S LATIN DICTIONARY』

『CASSELL'S LATIN DICTIONARY』

キンギョの学名 Carassius auratus の、auratus を、ラテン語辞書『CASSELL'S LATIN DICTIONARY』で調べると、golden(金色の)という意味があることが解かり、妙に安心する。
ワカサギの学名を、Hypomesus nipponensis とした語源を知りたいと念願していたが、まだ果たせずにいる。
憶測ながら、体側の色調から Hyperionis の Aurora(オーロラ)あたりが「それらしく」も思える。
しかし、さだかでなく、一層の勉強が要求されている。

『CASSELL'S LATIN DICTIONARY』
J.R.V.MARCHANT,M.A.
and JOSEPH F.CHARLES,B.A. xIv+927pp
CASSELL AND COMPANY,LTD London, 1935(昭和10)20版
初版は1887(明治20)年

天地と小口に埃よけのインクが散らされた、やや重量のある中型本で、学名の由来など、ちょっと調べる時に手元にあると重宝する。
ワカサギ研究家よしさん本
posted by よしさん at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年06月06日

『諏訪の産業』

『諏訪の産業』

戦中に発行された『諏訪』(1943年)を底本に、中学高校の社会科教科書として改訂増補された『諏訪の産業』は、往時を知る郷土資料のひとつである。
表紙に諏訪湖の、やつか漁イラストが描かれ、巻頭の諏訪地図と題した地形図(折込)に、現白樺湖の前身・大池も記載される。

『諏訪の産業』諏訪教育会、蓼科書房(本社:東京都・分室:岡谷市)
1951年、312+6p・¥150

農業では温水溜池(蓼科湖・大池)や、開拓事業(池の平他)詳細を取上げ、水産業では諏訪湖等のワカサギ・ウナギ・フナ他を重点に記述している。
『諏訪の産業』には、昭和20年代までの地域が凝縮されている。
地元の図書館で閲覧できるかも知れない。
ワカサギ研究家よしさん本
posted by よしさん at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2010年05月11日

『クマムシ?! 小さな怪物』

『クマムシ?! 小さな怪物』

緩歩動物門(TARDIGRADA)という、およそ聞き慣れぬ門に分類される「クマムシ」に関する、教養書である。
「この本は、クマムシについて日本語で書かれた一般向けの本としては最初のものとなる」と自序にあるように、良い啓蒙書で、関心を持つ諸兄にお勧めしたい。

『クマムシ?! 小さな怪物』鈴木 忠
2008年10月15日・9刷
岩波科学ライブラリー122
112p・岩波書店・¥1300+税
初版は2006年

「餌の問題 その二」の箇所(23-24pp)で、
「ワムシの種名を簡単に調べられるような図鑑は簡単には見つからない。ともかく日本語で手に入りそうなものを片端から見てみたが、どうもそれらには出ていないようだ。(中略)さいわい、オランダから最新のワムシの分類学シリーズが(後略)」と、記しているのは頂けない。
オニクマムシの餌とされた Lecane inermis ツキガタワムシ属の一種については、「ワカサギ図書室」架蔵範囲だけでも、既に
『日本淡水動物プランクトン検索図説』1991年,
東海大学出版会,242pp,
『日本淡水動物プランクトン検索図説』2000年,
東海大学出版会,240pp,
等が市販されており、プランクトン同定の定番・基本図書の調査不足は明白で、お気軽に書き飛ばした印象を拭えない。
それが『クマムシ?! 小さな怪物』全体の信憑性を損なうようで残念であり、「日本語のワムシ本は不完全」かの如きメッセージが、ブランド出版社のラベルを付し、増刷されていることも不思議である。

ワカサギ研究家・よしさん本
posted by よしさん at 12:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 図書文献