2009年05月31日

『印旛沼・手賀沼 水環境への提言』

『印旛沼・手賀沼 水環境への提言』

現在の茨城県と千葉県の境界をほぼ形作る利根川が、まだ東遷されず、古鬼怒湾が広がっていたころの名残が、印旛沼であり手賀沼である。

本書『印旛沼・手賀沼 水環境への提言』は、両沼の歴史地理・地形・水質・水生植物・プランクトン・利水目的の変遷等につき、16名の識者が分担執筆したものである。
『印旛沼・手賀沼 水環境への提言』
編集:山田安彦・白鳥孝治・立本英機
(1993年・古今書院・167p・¥3200)

とりわけ、「近世の印旛沼と手賀沼の漁業」大谷貞夫、「現代の印旛沼と手賀沼の漁業」細谷岑生、「手賀沼の魚の変遷」深山正巳、等がよしさんには興味深い。
図書館に相談すれば、「お取り寄せシステム」で、現本を読めるだろう。

牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2009年05月13日

『湖沼漁業の性格−青森県小川原沼実態調査−』水産庁

『湖沼漁業の性格−青森県小川原沼実態調査−』水産庁

ワカサギ関係文献は多くないが、1950年代までの文献となると、それこそ稀少な部類にはいる。
『湖沼漁業の性格−青森県小川原沼実態調査−』は、装丁的には素っ気ない一般的な役所の報文で、本文も活字ではなくユニークな手書き文字である。
だから「沼と沢」「正と圧」等の判読を強いられる。
小川原沼漁業協同組合が全面協力し、小川原湖における漁業生産・漁民・漁協の役割について、1952年・1953年・1955年の水産庁の調査をまとめたものである。

『湖沼漁業の性格−青森県小川原沼実態調査−』
1955年05月、水産庁企画室、68pp、非売品

小川原沼のワカサギについては、『ワカサギの漁業生物学』1954佐藤隆平があるが、同報告がワカサギそのものに主眼を置くに対し、本報告はワカサギを取り巻く漁労面から漁民構成・漁協・市場等に触れている。
同時代の同漁場を扱った報告で、一対を成すものと見ても良かろう。

霞が関で刊行され、北九州を経て、奇縁にもよしさんの書斎に漂着。
もっと勉強しなさい、ということだろう。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2009年05月12日

『地方見聞集』柳田國男

『地方見聞集』柳田國男

「堤を「ツツミ」と云ふは水を包むと云ふ意味なり。地方によりては池のことを「ツツミ」と云ふ所あり。此場合には堤塘を「トモ」と云ふ。未だ其意味を明にせず。」と記述され、
広辞苑(第2版補訂版)にも、【堤】「湖沼・池・川などを包むものの意」と、万葉集や和名抄を引いて説明がある。

また大きな池には中央部を横断して南北に堤があることがあり、
「此は西風が浪を起し岸を破壊せぬ用心なりと云ふ。(中略)又中堤の代りに中島を築くものあり。中島は一には掘上げたる土の置所と云ふ意味もあれど、一には又風除浪除の目的もあるべし。」と、先人の知恵を解析している。

『地方見聞集』1911・1912(明治44・45)年・法学新報、初出
『定本柳田國男集第29巻(新装版)』1977(昭和52)年・第12刷・筑摩書房、に収録

書斎にこもって、98年前の民俗学者の稿を読むのも、また楽しからずや。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2009年05月07日

『美味求真』の製本修理

『美味求真』の製本修理

料理書『美味求真』(木下謙次郎)の初版は、1924(大正13)年12月に刊行され、よしさん蔵書(以前古書で入手)は、1950(昭和25)年07月の再版。
ずっしり持ち重りのする緑色の布装、みぞ付き丸背、天は色染ハケ塗り装飾、背に書名と著者名の銀はく押し、と堂々たる上製本である。

表紙とのつなぎ部分は構造的に弱いから、クロス片が貼られていたが、それでも中身が重過ぎたためか、はたまた表紙をつまんでブラ下げるような乱暴な取り扱いをされたか、表紙が中身から離れかかり、表裏ともアソビができていた。
背固めは、ややゆるくなっていたが見逃すことにし、繊維が見えていた表紙と中身のつなぎ部分(表裏2ケ所のノド)に、天から地まで短冊形紙片を貼り、補強修理した。

『美味求真』木下謙次郎、1950(昭和25)年07月01日
特製限定版1300部の内第968号、427pp、1300円、酣燈社(東京)

著者は大分県出身ながら、冷水魚ワカサギについても記述され、博識に敬服する。
『美味求真』は末長く「ワカサギ図書室」に架蔵されるだろう。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2009年05月05日

『魚類生態学』ニコルスキー

『魚類生態学』ニコルスキー

『魚類生態学』ニコルスキー(亀井健三:訳)は、諸兄ご推察の通り、ロシアの魚類学者・ニコルスキー著『魚類生態学』(1963年第U版)の日本語訳である。

『魚類生態学』ニコルスキー(亀井健三:訳)1965年
新科学文献刊行会(米子市)A4版・315p・¥800・改訂U版
(初版は1964年11月20日)タイプオフセット
よしさん蔵書は訳者献呈署名あり

『魚類生態学』は、ロシアの国立大学教科書として使用され、英訳・中国語訳・ルーマニア語訳・ベトナム語訳に続き、1964年に日本語訳も出版されたロシアの魚類学・水産科学の代表的文献のひとつであろう。
日本語訳は、1980年に「たたら書房」より新装版も発行されている。

よしさんには、ワカサギ仔魚図解(25pp)、輪虫類(102pp)、甲殻類(110pp)、ワカサギ鱗図解(171pp)等が興味深いところであるが、甲殻類に関するウラジミロフの写真引用紹介には、思い当たるフシもあり、驚かされた。
『魚類生態学』、大規模図書館なら、閲覧可能かも。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2009年02月09日

『山武地方誌』

『山武地方誌』

よしさんの『山武地方誌』は、1974(昭和49)年06月01日、神田神保町小宮山書店にて購入。
以来書架に収まり、「ザ・レイクチャンプ」の「シークレット・ポイント」執筆等、折に触れ開かれている。

『山武地方誌』編集:山武郡町村会事務局 915pp
1955(昭和30)年06月20日 発行:山武郡町村会(東金市)非売品

短期間に編纂され、記述に粗密があり、かつ正誤表がない『山武地方誌』であるが、その時代の山武地方を知る基本図書のひとつと思う。
その後、復刻版(1986年05月)も千秋社/多田屋から発売(税込:17,325円)されたと聞くが、既に入手は困難であろう。

温故知新、54年前の書物から今日も何事かを教えられた。
ありがたいことだ。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2009年02月03日

『原生動物図鑑』

『原生動物図鑑』

何年も念願し続け、希望の灯りが消えかかるころ、古書で『原生動物図鑑』を手に入れた。

1981年の初版第1刷が¥25800、1989年の初版第2刷が¥32621(定価・税込)、現在絶版状態などと聞けば、さしたる収入のない、よしさんには、静観するしかないように思えた。

『原生動物図鑑』監修:猪木正三
838p・第1刷・講談社

広義プランクトンの内、原生動物(自由生活種と寄生生活種)の形態・生態に留まらず、病原性種の医学的解説も試み詳述された『原生動物図鑑』第1刷が、極めて幸運にも書架に収まった。
この喜びをバネとし、研究に活用したい。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2008年11月28日

『魚を楽しく食べ続けたい 魚から環境問題を考える』

『魚を楽しく食べ続けたい 魚から環境問題を考える』

故あって、千葉県いすみ市の狸蛸庵に、水口憲哉先生(東京海洋大学名誉教授)を訪ね、最近の活動を報告し、教えを乞い、助言を頂戴した。

水口憲哉先生の新刊『魚を楽しく食べ続けたい 魚から環境問題を考える』は、プランクトン食魚マイワシを例に挙げる。
千葉県九十九里浜産マイワシが関八州に流通し、利用後の肥料・糞尿が栄養塩に姿を変え利根川水系を流下し、銚子から太平洋に供給され、プランクトンの発生・増殖を促し、それはマイワシの餌料になるという江戸時代からの物質循環の大切さを図解している。

化学物質や放射能による魚の安全性にも、多くの事例を示し、消費者に馴染みの魚から、環境問題を提起する好著である。

『魚を楽しく食べ続けたい 魚から環境問題を考える』水口憲哉
(A5版・64p、2008年06月08日、日本消費者連盟、¥600)
http://www.nishoren.org/index.html

水口憲哉先生から贈られた『魚を楽しく食べ続けたい 魚から環境問題を考える』を抱いて、無病長寿の霊果・郁子(ムベ)の実る狸蛸庵を後にした。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2008年11月13日

『くりさんの水産雑学コラム100』

『くりさんの水産雑学コラム100』

柳田国男・金子みすゞ・岡本かの子・草柳大蔵・佐佐木信綱・なかにし礼等と聞いて、何をテーマとした書籍かを想像しても、ことごとく「想定外」となり、本書『くりさんの水産雑学コラム100』に、たどり付くまい。

長野県水産指導所諏訪支所から、神奈川県水産試験場に勤務された著者の博識ぶりがうかがえる1冊で、大冊ながら興味ある項目の拾い読みもでき、親しみやすい。

「ワカサギの移殖(諏訪湖)」
「シオミズツボワムシの培養」等に混じって
昔からのアマチュア無線家には馴染みの、モールス信号の話まであり、水産と言っても「魚」に留まらず、ゼネラリストを目指す方の入門用にお勧めしたい。

『くりさんの水産雑学コラム100』栗原伸夫
(2006年06月20日・第1刷・615p・まな出版企画・¥3150)
http://www.manabook.jp/index.html

第2級アマチュア無線技師・よしさん本
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2008年10月26日

『ワカサギ爆釣マニュアル!』

『ワカサギ爆釣マニュアル!』

つり人社から、ワカサギ釣りのイヤーブック『ワカサギ爆釣マニュアル!』が出版された。

『ワカサギ爆釣マニュアル!』
114p・¥998・別冊つり人Vol.242・つり人社
http://www.tsuribito.co.jp/

掲載記事「牛久沼・大注目のNEWワカサギスポットは只今爆釣中!」の取材に、牛久沼漁業協同組合も全面協力させて頂いた。
ワカサギふ化放流の知られざる一面も紹介されており、牛久沼の常連も、これから常連になる釣り人も『ワカサギ爆釣マニュアル!』は、書架保存版に「買い」であろう。

2008年の牛久沼は、10月25日に本格的なワカサギ釣果があり、シーズンが開幕した。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2008年10月06日

『かっぱKAPPA』柴田哲孝

『かっぱKAPPA』柴田哲孝

茨城県牛久沼を舞台にした文学作品に、柴田哲孝『かっぱKAPPA』がある。
主人公がブラックバス釣り人で、ハードボイルドなミステリー仕立てというのも、よしさん好みで嬉しい限りだ。
ブラックバス釣り人、牛久沼をホームレイクとする人、ミステリー好き、読むべき小説をお探しの諸兄に一読を勧めたい。

柴田哲孝『かっぱKAPPA』
2007年04月30日初刷,289pp,四六判,¥1700+税, 徳間書店

数ケ所の読み替え推奨点については、
「ザ・レイクチャンプ」の「ODL・トーク」で指摘した。
http://lake-champ.com/

牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
posted by よしさん at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書文献

2008年09月26日

『完本なるほど!THEワカサギ大全』

『完本なるほど!THEワカサギ大全』

ワカサギ釣りを定着させたムック本、なるワカのバックナンバーから、各地の釣りテクニックを中心に再編集されたベスト版が出版された。

『完本なるほど!THEワカサギ大全』
224p・¥1365・別冊つり人Vol.241・つり人社
http://www.tsuribito.co.jp/

よしさんの「なるほど!THEワカサギヒストリー」も再録され、保存版としても「買い」であろう。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2008年08月05日

「シークレットポイント」5年ぶりリニューアル・オープン

「シークレットポイント」5年ぶりリニューアル・オープン

よしさん流釣り場案内「シークレットポイント」は、2008年08月より再開された。
リニューアル第1弾は、山形県「蛭沢湖」である。

資料収集と取材に、時間も費用も掛かるため、気まぐれのスローペースを了承頂きたい。
「シークレットポイント」
http://lake-champ.com/

なお、旧稿は発表日以降の経年変化を勘案の上、利用願いたい。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2008年06月15日

『にいがたの池沼』

『にいがたの池沼』

新潟の小学校で音楽教員を務め、ジャズ演奏を趣味とする著者が、1991年03月の退職記念に出版した本書は、かなりユニークである。

『にいがたの池沼』は、副題「越後野志を巡検ドライブする」の通り、1815年成立の郷土誌「越後野志」に記載された池沼の現況確認を主目的としている。
他の湖沼も含め243ケ所が、略図・モノクロ写真と共に掲載されているが、個々の記述は、池沼の有無に主眼が置かれ、水を溜めている容器の緒元・水文学・陸水的アプローチは、ほとんどなされていない点が惜しい。
ワカサギは、わずかに山本山調整池(156p)と高田城址公園の外堀(270p)に生息が記載されている。

『にいがたの池沼』三富健三
副題:越後野志を巡検ドライブする
(1991年08月31日・292+15p・自費出版・布装金文字・200部)

1997年に、著者地元長岡市の古書店成匠堂書店で購入と、よしさん蔵書にメモがある。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2008年06月06日

『ダム年鑑』

『ダム年鑑』

よしさんの『ダム年鑑』は2002年版である。

『ダム年鑑』は、あまりの高価さに、購入を何度も躊躇し、悩んだ。
しかし、その道の基本図書のひとつだから手元に置かざるを得ない。
良く良く咀嚼しないと味のしない統計書で、使い手に技量が要求されている。

よしさんはダムという土木構造物に興味はないけれど、ダムによって出現する貯水池には興味がある。
従って『ダム年鑑』は、人造湖『貯水池年鑑』として利用している。

『ダム年鑑』財団法人日本ダム協会
2002年03月12日・1591p+74p ・¥21000
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jdf/

仙台市青葉区の書斎から、四街道市の書斎へ受け継いできた書架の1冊にも、想い出は宿っている。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2008年06月01日

『油ケ淵の動物プランクトン−甲殻類とワムシ類−』

『油ケ淵の動物プランクトン−甲殻類とワムシ類−』

愛知県の中央部に安城市があり、隣の碧南市との境に、三河湾とつながる汽水湖・油ケ淵がある。

安城市の中学校教諭小鹿 亨さんの『油ケ淵の動物プランクトン−甲殻類とワムシ類−』は、都市化で富栄養化の進んだ汽水湖の興味深い事例で、教えられるところも多い。
例えば、従来オナガミジンコとされてきた種は、トウヨウオナガミジンコとオオアタマミジンコの2種とする説で、今後はよしさんも留意したく思う。

『油ケ淵の動物プランクトン−甲殻類とワムシ類−』小鹿 亨
(2002年03月30日、安城市史研究第3号、106〜87pp、安城市、¥800)

よしさん的には、プランクトンと水生生物、特に魚類との関連記述がない点が残念である。
とはいえ、地道な地域のプランクトン研究が成果をあげ、公刊されることは慶賀すべきことで、掲載した安城市史編纂委員会は賞賛されてよい。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2008年05月24日

『日本列島産淡水魚類総説』

『日本列島産淡水魚類総説』

よしさん架蔵の『日本列島産淡水魚類総説』は、青泉社が発売元の復刻版である。
彼是30年近く前、発売元へ現金書留を送り、直接郵送して頂いた。

以来、折に触れ参照し熟読し、他の文献との比較にも用いる基本図書のひとつになった。
例えば「タウナギ」のように「(略)南方諸地域に分布している。なお田中(1913)、JORDAN と HUBBS(1925)などは、東京と京都から本種を記録しているが、(略)両地域で採捕されたものが果たして自然分布によったものであるか否かは疑問である。(略)某金魚商の金魚池から逸走したものであるとのことである。」と、ユニークな解説箇所も多く、楽しめる。
「タウナギ」は茨城県新利根川水系でも確認されている(2008年・よしさん)。
復刻版には、初版(1957年、大修館、1000部、1200円)で発見された約200ケ所の誤植の正誤表6ページがあり、心強い。

『日本列島産淡水魚類総説』青柳兵司 1979(昭和54)年04月01日(復刻版)、財団法人淡水魚保護協会、4700円

クロス装丁・天金、1冊あると安心できます。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん
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2008年05月13日

『水野寿彦 私のスケッチ画集第U部』

『水野寿彦 私のスケッチ画集第U部』

プランクトンにまつわる学業世界の、巨人の一人は水野寿彦博士であろう。
『水野寿彦 私のスケッチ画集第U部』は、前半を「日本列島の淡水プランクトン」、後半は「諸外国の淡水プランクトン」としたスケッチ集である。

『水野寿彦 私のスケッチ画集第U部』水野寿彦
(1992年04月10日、初版・217pp・トンボ出版・¥3800)

著者が1950年〜1980年頃に調査した国内各地点図(4pp)によれば、千葉県内は未調査で、茨城県内は涸沼と霞ケ浦の2地点である。
その後に続く、1964年初版の『日本淡水プランクトン図鑑』(保育社)や、1991年初版の『日本淡水動物プランクトン検索図説』(東海大学出版会)に、千葉県内と茨城県牛久沼の分布事例がほとんど記載されていない遠因と見える。

淡水動物プランクトンの調査は、1回だけのスポットなら一人で広域カバーも可能であろうが、それでは意味が薄く、成果の利用も限定される。
相の季節的・経年的変化を追うには、それぞれの水域を継続して定期調査し見守る、プランクトンウォッチャーが各地に必要と思う。
漁協関係者や釣り人が、プランクトンウォッチャーを自任する時代であって良い。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2008年05月11日

『湖は流れる』

『湖は流れる』

霞ケ浦を改まって呼ぶ時はカスミガウラ、いつもは湖(うみ)と呼んだ。
『湖(うみ)は流れる』は、霞ケ浦を中心軸に、地域の地理・歴史・公害・自然破壊に抗した人々等に焦点を当てる。

なかでも、第4章「湖水に生きる」である。
●167〜189p*出島漁民からの聞書(大崎高嗣)
話者:出島村岩田和雄
●201〜215p*出島漁民からの聞書(西岡文子)
話者:出島村鈴木虎男
等々、漁師の語るワカサギの生態と漁のあれこれは、興味深い。
巻末に年表もある。

『湖は流れる−霞ケ浦の水と土と人−』土の会:編、1982年06月30日、第1版第1刷、305p、¥1500、三一書房

古きを尋ね、話者から教えてもらえる幸せ。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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2008年05月09日

『下水処理と原生動物』

『下水処理と原生動物』

下水処理に多様される処理法に、活性汚泥法とその変法がある。
下水処理場において、器や機械的設備は脇役で、汚水中の有機物の分解処理は原生動物を含む微生物が主役である。
『下水処理と原生動物』には、下水処理で出現する代表的原生動物の属種の簡易解説や、検鏡モノクロ写真多数が掲載されている。

漁場で魚類の餌料環境としてのプランクトン資源を調査する場合も、同定に『下水処理と原生動物』は参考になる。
特に44−45ppの図7 Patterson(1992)は、水域が富栄養化し、さらに過栄養化に進む場面に見られる原生動物・細菌類の生物指標と読み変えると、俄然興味深くなる。

『下水処理と原生動物』盛下 勇
(2004年03月25日初版第1刷・山海堂・151pp・¥1900+税・正誤表あり)

志ある漁業関係者・遊漁者に、お勧めしたい1冊である。
牛久沼漁業協同組合顧問よしさん本
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